中弁連の意見

中国地方弁護士会連合会は、弁護士が罪に問われた人の社会復帰、再犯防止のための支援を行うことの必要性・有用性を認識し、

第1 当連合会所属の各弁護士会が、

1 罪に問われた人の社会復帰、再犯防止のための支援について、矯正行政に関わる機関(法務省、刑務所、少年院、保護観察所等)と連携すること

2 罪に問われた人の社会復帰、再犯防止を目的とした、罪に問われた人からの依頼又は矯正行政に関わる機関等からの要請に応じることができる組織体制を整備し、弁護士が罪に問われた人への法律相談を行い、法的紛争解決に助力し、若しくは、医療機関や民間団体等と連携し社会復帰に向けた活動を支援し、又は、ケース会議に参加し助言を行うなどの諸活動が円滑に行えるようにすること

を支援することを宣言するとともに、

第2 国及び地方公共団体に対し、

1 弁護士が、罪に問われた人の社会復帰、再犯防止を目的とした諸活動を円滑に行えるように、各弁護士会と連携すること

2 弁護士が罪に問われた人の社会復帰、再犯防止を目的とした諸活動を行うことについての財政的措置をとること

を求めることを決議する。

 

 

2022年(令和4年)10月7日

中国地方弁護士大会

提案理由

 

1 中国地方弁護士会連合会「罪を犯した人たちの立ち直りを支える社会を目指す宣言」の概要

 当連合会では、2014年(平成26年)度第68回中国地方弁護士大会において、「罪を犯した人たちの立ち直りを支える社会を目指す宣言」(以下「平成26年宣言」という。)を発した。平成26年宣言は、国に対し、「司法・矯正」と「福祉」の架け橋の役割を果たすことが可能な体制を整備すること、社会復帰する者に衣食住を確保し、専門的かつ十分な支援を受けることができるような体制を整備すること及び本人の権利擁護のために必要に応じて弁護士の援助を求めることができるような制度の創設等を求めるとともに、弁護士としては、弁護人として関与する被疑者・被告人段階における、いわゆる「入口支援」はもちろんのこと、刑事手続を終えた者や矯正施設等からの出所者の権利擁護活動、いわゆる「出口支援」についても積極的に取り組むこと及び総合法律支援法改正等これらの取り組みのために必要な体制整備を求める運動を展開することにより、罪を犯した人たちの立ち直りを支える社会を目指す、というものであった。

 

2 法律制定・法改正の動向及び犯罪傾向等

(1)再犯防止推進法

 2016年(平成28年)12月14日、再犯の防止等の推進に関する法律(以下「再犯防止推進法」という。)が公布、施行された。再犯防止推進法は、犯罪をした者等の円滑な社会復帰を促進すること等による再犯の防止等が犯罪対策において重要であり、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。そして、再犯防止推進法に基づいて、国は、2017年(平成29年)12月、再犯防止推進計画を定めた。また、再犯防止推進法では、再犯防止推進計画を勘案して、都道府県及び市町村は、地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないとされており、中国地方の5県においては、地方再犯防止推進計画が策定された。

 国の再犯防止推進計画では、「犯罪をした者等が、多様化が進む社会において孤立することなく、再び社会を構成する一員となることができるよう、あらゆる者と共に歩む「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、関係行政機関が相互に緊密な連携をしつつ、地方公共団体・民間の団体その他の関係者との緊密な連携協力をも確保し、再犯の防止等に関する施策を総合的に推進すること」などを基本方針としている。そして、同計画では、「法務省は、再犯の防止等において、弁護士が果たしている役割に鑑み、弁護士との連携を強化していく。」とも記載されており、弁護士が果たす役割に期待もされている。

 また、国の再犯防止推進計画や地方再犯防止推進計画では、就労・住居の確保等、保健医療・福祉サービスの利用の促進等、学校等と連携した修学支援の実施等、犯罪をした者等の特性に応じた効果的な指導の実施等、民間協力者の活動の促進等、広報・啓発活動の促進等を課題として整理し、国及び県として取り組んでいるところである。

(2)刑法・刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の改正

 受刑の場面では、2022年(令和4年)6月13日、刑法等の改正法が可決成立した。これにより刑法等に規定されている懲役と禁錮を廃止して、一本化し「拘禁刑」を創設することとなる。そして、拘禁刑では、「改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」とされる。また、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の改正により、拘禁刑では、「改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、作業を行わせるものとする。」とされる。

 これらの改正により、受刑者の特性に応じた柔軟な処遇ができるようにし、改善更生や円滑な社会復帰を目指すこととなる。これらの点は、まだ施行されていないが、今後の運用内容にも注目する必要がある。

(3)犯罪傾向

 令和3年版犯罪白書によれば、再犯者(前に道路交通法違反を除く犯罪により検挙されたことがあり、再び検挙された者をいう。)の人員は、1996年(平成8年)(81,776人)を境に増加し続けていたが、2006年(平成18年)(149,164人)をピークとして、その後は漸減し、2020年(令和2年)は89,667人で、2006年(平成18年)と比べて約39.9%減であった。他方、初犯者の人員は、2000年(平成12年)(205,645人)を境に増加し続けていたが、2004年(平成16年)(250,030人)をピークとして、その後は減少し続けており、2020年(令和2年)は92,915人で2004年(平成16年)と比べて62.8%減であった。再犯者の人員自体は減少傾向ではあるものの、それを上回るペースで初犯者の人員が減少し続けており、再犯者率(刑法犯検挙人員に占める再犯者の人員の比率をいう。)では上昇傾向を示しており、2020年(令和2年)は49.1%であった。また、再入率(各年の出所受刑者人員のうち、出所後の犯罪により、受刑のため刑事施設に再入所した者の人員の比率をいう。)の推移でも減少傾向ではあるものの、それでも2016年(平成28年)の5年以内再入率では36.7%となっており、満期釈放者に絞ると47.3%と高い水準となっている。

 また、令和3年版再犯防止推進白書によれば、2020年(令和2年)5月及び6月に刑事施設から満期釈放された者1,289人を対象とする特別調査において、調査対象者数は少ないものの、満期釈放者のうち、精神・身体上の配慮が必要とされた者が72.8%であったとされ、満期釈放者には何らかの支援が必要な人が多い状況があることが分かっている。

3 各機関の取り組み

(1)検察庁

 検察庁では、全国の地方検察庁において、社会福祉士を配置し、被疑者・被告人の段階から、福祉的支援が必要な人に対して、環境調整を行うようになっている。中国地方においては、広島地方検察庁及び山口地方検察庁で社会福祉士が配置されている。また、社会福祉士が配置はされていないものの、相談できる体制もある。例えば、島根県では松江地方検察庁が島根県で登録している更生支援コーディネーターに対して支援を依頼することができる仕組みとなっている。このように、刑事手続の早い段階で福祉的支援が入ることで、被疑者・被告人が社会復帰する助力となっており一定の成果が認められる。

 しかし、社会福祉士の配置は全ての検察庁で行われているわけではない。また、累犯者や犯罪の性質等から、検察官において実刑が見込まれる人などに対しては、検察庁の関与による社会復帰は行われない点に課題はある。

(2)地域生活定着支援センター

 地域生活定着支援センターは、矯正施設入所者の中に、福祉的支援が必要なのに受けてこなかった、または、受けることができなかった高齢者、障がい者や、帰住先を確保できないまま矯正施設を退所する高齢者、障がい者が数多くいることが指摘され、それを受けて、各都道府県に1か所置かれ、2012年(平成24年)度から相談支援事業を行っている組織である。主に出口支援で活躍することを念頭においた組織であって、福祉的支援が必要な高齢者、障がい者を必要な支援に結びつけたり、身寄りがない人の帰住先調整をしたりするなど一定の成果が認められる。

 もっとも、地域生活定着支援センターの出口支援の活動は、矯正施設から情報を得て、保護観察所からの依頼により始まるものである。また、その対象は、高齢者または障がい者に限定されており、そのため、支援を希望しても、高齢者または障がい者以外の人は支援を受けることができないなどの課題がある。さらに、人員不足や予算不足など人的・経済的にも制約がある。

 なお、2021年(令和3年)度から、地域生活定着支援センターの業務として、被疑者等支援業務が開始され、捜査・公判段階の被疑者・被告人に対する福祉的支援が開始されたが、上記課題は当該業務にも当てはまる。

(3)中国地方の弁護士会

 入口支援に関しては、複数の弁護士会が、社会福祉士会等と協定を結び、高齢者、障がい者及び少年が、福祉的支援を必要とする場合に、社会福祉士等がその支援に当たる仕組みができている。例えば、岡山弁護士会では、社会福祉士による支援ネットワークが構築されている。また、山口県弁護士会では、社会福祉士会、精神保健福祉士協会及び社会福祉協議会とも連携して支援活動が行われている。島根県弁護士会では、島根県の事業として更生支援コーディネーターを養成し、罪に問われた人に対する社会復帰を支援する仕組みがあり、これに関与している。鳥取県弁護士会では入口支援を開始した鳥取県地域生活定着支援センターと弁護人が連携し入口支援を行っており、件数も増えている。広島弁護士会では、特定非営利活動法人広島県就労支援事業者機構と協定を締結し、弁護士の依頼により、就労支援が行われている。

 このように入口支援においては、各弁護士会とも、各県の実情に応じた様々な取組みを行うことにより、被疑者・被告人の社会復帰に向けた支援に力を入れており、また、一定の成果を上げている。また、弁護人の依頼により、福祉専門職が被疑者・被告人の社会復帰支援を行い、そのための更生支援計画書を作成し、裁判所に提出するといった事例は各県でも行われるようになってきており、その件数も増えている。今後も、これらの活動を広げていく必要がある。

 他方、出口支援に関しては、各弁護士会において、いまだ十分な制度ができておらず、制度が始まったばかりという状況である。例えば、上記の島根県弁護士会の更生支援コーディネーターや広島弁護士会の就労支援は、出口支援においても可能であるが入口支援と比べると利用数は少ない。また、広島弁護士会では、2022年(令和4年)7月より、広島刑務所等からの要請や同所に在所中の人からの依頼により、支援を行う「よりそい弁護士制度」を開始し、相談を受け、または、支援を行う体制を整えているが、今後いかに利用件数を増加させ、支援体制を強化するかが課題である。

(4)各機関の取組みの評価と課題

 以上のような取組みにより、被疑者・被告人段階の刑事手続の早い段階に福祉専門職につながり、居住先、就労、医療・福祉サービス等の支援が受けられることで、早期釈放、円滑な社会復帰ができるようになってきていることは、大きな成果である。

 また、福祉専門職により作成される更生支援計画書が裁判所に採用される事例、又は、福祉専門職が証人として出頭する事例が増加したこと等により、裁判所でも被疑者・被告人に対する福祉的支援の必要性が理解されるようになってきており、更生支援や早期の社会復帰のための弁護活動は活発になっている。

 他方、実刑となった後のいわゆる出口支援について、弁護士は、必ずしも十分取り組めているとは言えない。弁護士向けのアンケートによれば、その理由として、①刑事弁護活動が終了し、弁護士の本来業務ではなくなっていること、②出口支援は入口支援より多種多様なニーズが考えられるため、弁護士の法的支援が有効に機能するか不明である、③弁護士の認識不足、④弁護士にとっての出口支援は、ボランティア活動となってしまい、弁護士の報酬、事務経費などの手当が出ない等の意見が出されている。

 

4 罪に問われた人の社会復帰時の課題と弁護士にできること

(1)矯正施設出所時の流れ

 受刑者について、改悛の状があり、改善更生が期待できる懲役又は禁錮の受刑者を刑期満了前に仮に釈放し、仮釈放の期間(残刑期間)が満了するまで保護観察に付することにより、再犯を防止し、その改善更生と円滑な社会復帰を促進することを目的とした仮釈放の制度がある。仮釈放の審理は地方更生保護委員会が行い、懲役又は禁錮の受刑者について、有期刑については刑期の3分の1、無期刑については10年を経過した後、許すことができ、①悔悟の情及び改善更生の意欲があるかどうか、②再び犯罪をするおそれがないかどうか、③保護観察に付することが改善更生のために相当であるかどうかを順に判断し、それらの基準を満たした者について、④社会の感情が仮釈放を許すことを是認するかどうかを最終的に確認して判断される。その前提として、受刑者の帰住予定地を管轄する保護観察所が、刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けるなどした後、保護観察官又は保護司が引受人等と面接するなどして、帰住予定地の状況を確かめ、住居、就労先等の生活環境を整えて改善更生に適した環境作りを働き掛ける生活環境の調整を実施している。

 仮釈放が得られない受刑者は、刑事施設内において、釈放前の2週間程度の期間で、釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与や指導が行われ、満期で出所することとなる。

 このとおり、仮釈放が認められるのは、様々な要件を満たし、引受人がいるなど生活環境調整ができた者となっており、そうでない受刑者は満期での出所となる。

 上記のとおり、受刑者は、多くの障壁を抱えているが、その中でも、満期釈放者は、それ以外の受刑者と比べ、精神・身体上の配慮が必要とされた人の割合が多く、統計的には再入率も高い状況である。受刑者が抱える障壁は、精神上の問題、身体上の問題、親族等の環境の問題をはじめ様々な問題が考えられ、それらの障壁を越えることができず、再犯に至る場合も相応にあることが想定される。そのため、出所する受刑者や出所後の元受刑者に対して、適切な支援がなされることにより、その障壁をなくし、または小さくすることが必要となる。

(2)刑務所出所時の必要な支援

 まずは、生活の基盤となる住居の確保が必要となる。刑務所出所者の住居の確保には、保証人を確保できず、また、保証会社を利用することができないといった課題がある。そのため、公営住宅の活用等が各県の再犯防止推進計画で示されているところである。

 次に、収入の確保が必要となる。就労ができる人に対しては、就労に至るまでの支援が必要となる。また、年金受給世代であれば、年金受給手続の支援を必要とする。そして、就労ができない又はすぐには困難な場合には生活保護を受給する必要がある。この場合には、同行申請を含めた生活保護の受給手続を支援する必要がある場合もある。

 高齢、障がい、疾病などがある人には、保健医療・福祉サービスの利用を促し、そのための支援も必要となる。

 修学世代では、修学支援も必要となってくる。

 その他、中国地方の矯正施設に対し、出所時の弁護士の支援について期待することの調査をしたところ、成年後見制度の利用支援、給与や残業代不払い等に関する労働紛争に関する相談、居住先の確保に向けた支援、養子縁組解消等親族関係調整等にニーズがありそうだとの調査結果が出た。その他で想定できることとすれば、上記の生活保護の同行申請もその1つであるし、犯罪被害者への被害弁償等の対応、婚姻関係・養親子関係を背景にした親族の関係調整、犯罪の直接の理由ともなり得る借金問題の解消等も挙げられる。

(3)弁護士としてできること

 弁護士は、罪に問われた人が逮捕勾留され社会から離れた初期段階から、被疑者・被告人の弁護人の立場で、その人の課題や必要な支援を把握しうる立場にある。これまで、弁護人としての職務から、起訴猶予処分や執行猶予判決となった際の社会復帰に備え、医療機関や民間団体等様々な機関と連携を行い、社会復帰に向けた活動を行ってきた。また、弁護人が、社会福祉士、精神保健福祉士や地域生活定着支援センター等と連携し、罪に問われた人を刑事手続の早い段階で福祉的支援に繋げたり、今後の更生支援計画を作成するとともに、裁判所に更生支援計画書を提出し、執行猶予を得るなどにより早期に社会復帰に繋げるなどの取組みが行われた。今後においても、同様の取組みの必要性は益々増していくことが予想される。

 もっとも、「入口支援」は、時として、起訴猶予処分や執行猶予判決を得るために行われてきたが、これらの処分・判決を得ることのみではなく、弁護士としては、支援が必要な人にはきちんと支援すべき職責があることを自覚し、これまでよりも「入口支援」を広げ、ますます積極的に取り組む必要がある。

 他方、刑事事件における判決確定後、弁護士は、弁護人の地位を離れ、罪に問われた人に直接関与する立場にはない。そのため、これまで「出口支援」について十分な取り組みができていなかった。しかし、入口支援よりも社会から隔絶された期間が長く、社会復帰のために支援を必要としている人は多く、その支援も多岐にわたる。そして、その中には、法的支援を必要とする場合も相当数存在し、そのような支援はまさに弁護士がその専門性を発揮する場面であって、本来行うべき業務である。また、法的支援そのものが必要となっていない場面であっても、どのような支援が必要か、どの機関に繋げるのがよいのか等を整理し、コーディネートすることも弁護士がその能力を発揮できる場面である。

 そこで、弁護士は、矯正行政に関わる機関(法務省、刑務所、少年院、保護観察所等)と連携し、罪に問われて刑事施設に収容されている人に対し、法律相談を行い、法的紛争解決に助力し、医療機関や民間団体等と連携し社会復帰に向けた準備活動を行い、また、その人のケース会議に参加し法的視点からの助言を行うなどの活動を行い、それによって、その人が円滑な社会復帰ができるよう支援していくことを積極的に行っていく必要がある。

 

5 弁護士が活動をするために必要なこと

 弁護士が、罪に問われた人に対する社会復帰、再犯防止を目的とした諸活動を円滑に行うためには、弁護士自身がこれらの諸活動を行うことが有用であることを自覚し、その上で、見識を深め、研鑽していくことはもちろん、弁護士会としても、そのような諸活動が行うことができる体制を整える必要がある。

 そして、その上で、国及び地方公共団体と、各弁護士会とが、連携することが必要不可欠であり、地方再犯防止推進計画においても、弁護士による支援を明記する等して、弁護士による支援の根拠が盛り込まれるようにするべきである。

 また、これらの弁護士の活動は、無償ではなしえない。そして、矯正施設在所中の人は、弁護士に報酬を支払える人ばかりではない。弁護士による出口支援は、再犯防止に繋がるもので、ひいては、社会全体のためになる活動である。そのために、弁護士の活動に対して、国及び地方公共団体からの財政的措置が必要である。

 

6 まとめ

 以上から、当連合会は、再犯が防止される仕組みが構築された安全で安心して暮らせる社会の実現を目指し、罪に問われた人への弁護士による支援がその人の社会復帰や再犯防止のために有用であり、また、再犯防止推進計画等でも弁護士に一定の役割が期待されていることを認識し、各弁護士会が、罪に問われた人の社会復帰、再犯防止のための支援について、矯正行政に関わる機関と連携し、また、各弁護士会が必要な支援を提供できる組織体制を整えるための支援をすることを宣言し、加えて、国及び地方公共団体に対し、弁護士による諸活動が円滑に行うことができるように各弁護士会との連携や財政的措置をとることを求めることを決議する。

 

 以上の理由から、本宣言及び決議を提案するものである。

 

以上